耳よりだより

2018年12月25日

口腔ケアで心身の健康をいつまでも

いくつになってもイキイキと元気でいるためには、心身をしっかりケアする必要があります。
口腔内も同じ。健康を維持するためには、お口のなかの変化に敏感でいたいものです。
実は口腔内には疾患につながるトラブルのモトがたくさん潜んでいて、歳を重ねるにつれその危険性は高まっていきます。深刻な状況に至らないためには、しっかりと口腔内をケアすることが大切。

今回はお口のなかを清潔に保つだけでなく、身体全体の健康を維持するためにも重要な「口腔ケア」についてご紹介します。



口腔ケアには「器質的」と「機能的」の2種類があります

口腔ケアは目的によって2つに分かれています。

歯磨きや歯垢の除去など口腔内を清潔に保つケアは「器質的口腔ケア」といい、むし歯や歯周病、誤嚥性肺炎などさまざまな疾患を予防するために行います。


もうひとつのケアが、食事をおいしく食べる、会話を楽しむなど、口腔機能の維持・回復を目的とした「機能的口腔ケア」で、口腔リハビリとも呼ばれています。

口腔ケアはこの2つがうまく組み合わされることで、健康はもとより生きる意欲の向上にもつなげることができます。



歯周病や誤嚥性肺炎の予防のために…
器質的口腔ケアで唾液の量を増やそう

むし歯、歯周病、誤嚥性肺炎などの疾患はお口のなかの細菌が原因。

高齢になると薬剤の影響などで唾液の分泌量が減り、口腔内が乾燥しがちになり、細菌が繁殖しやすくなります。

器質的口腔ケアは、歯磨きや舌磨きなどのケアでお口のなかを清潔にすることで、こうした疾患の予防をめざすもの。

お口のなかが清潔になると唾液の分泌が活発になります。唾液の分泌量を増やすことは、口腔乾燥症(ドライマウス)の改善にも効果的です。

 


口腔ケアの基本 上手な歯の磨き方

1:口をゆすぎ食べカスを取り除く。

2:歯ブラシを歯に対して90度になるように当て、毛先が歯から離れないよう細かく動かしながら、力を入れずに1本1本ていねいに磨く。

3:舌苔(舌の表面に付着している白っぽい垢)を歯ブラシか舌ブラシで奥から手前に掻き出し、最後に口をゆすぐ。


<ポイント!>

汚れがたまりやすい歯と歯の間は、歯間ブラシ、糸ようじを使ってきれいにしましょう。




認知症予防にも役立つ!
機能的口腔ケアでお口の働きをトレーニング

噛む、飲み込む、会話する、表情を作る…など、口腔機能には「食べる」「話す」という社会生活を健康に営む上での基本的役割があります。

そのため口腔機能が衰えると、栄養が充分に取れなくなり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。また、会話がおっくうになれば、家に引きこもりがちになり、それが認知症の発症につながります。


予防には、唾液腺をマッサージしたり、口や顔の筋肉を動かすことが有効です。

認知症の発症リスクは噛む能力の低下からも高まるので、機能的口腔ケアで噛む力を育む習慣をつけたいものです。


唾液をしっかり出すための 唾液線マッサージ

耳下腺、顎下腺、舌下腺をしっかり動かすマッサージです。

①親指以外の指4本を頬に当て、奥歯のあたりを後ろから前へ向かってぐるぐる回す(10回)。

②親指で耳の下から顎の先まで5ヵ所ぐらいを親指で突き上げるように順番に押す(各5回)。

③両手の親指であごの真下から突き上げるようにぐっと押す(10回)。

   


舌を動かし口周りの筋肉を鍛える 舌体操

①口を大きく開け舌をゆっくり前に出す。

②出した舌を出したり引っ込めたりする。

③舌を上あごにつけたり、横に動かしたりする。

①〜③を繰り返し、しっかり舌を動かしましょう。


表情筋を鍛えて免疫力を上げる 顔体操

口を大きく開けたり、横に開いたり、小さくすぼめたり。いろいろな表情をしながら顔の筋肉を動かします。




口腔ケアは生活の質を高め全身の健康を維持するためにも重要です。
身体はもちろん心の健康にもつながる口腔ケアを心がけ、いつまでも自分らしく元気に生活していきたいですね。